もくの木ブログ

2017.01.24

♣ 逆子について

〈逆子とは〉

妊娠の早い時期から赤ちゃんは、お腹(子宮)のなかで動いていますが、妊娠28週くらいから頭が下(頭位)になり安定するようになります。妊婦検診で28週くらいか、それ以前に逆子と判明しても、たいていは出産までに自然に治るので様子をみて下さいと言われることが多いです。

妊娠28週を過ぎると産科や助産院で逆子体操を勧められることが多く、逆子が問題になるのは28週くらいからです。

〈逆子の原因〉

東洋医学的には逆子は母と子の陰陽関係がおかしくなっている状態なのです。主な原因は母体にあります。お母さんの体のバランスが崩れていることによって起こるといわれています。たとえば、冷えが原因のことがよくあります。

昔から、「頭寒足熱」と言いますが、頭は冷めて足が温かいのが健康的です。頭は陽の部位ですから、冷えてバランスを保ち、足は陰の部位ですから、温かくしてバランスが保ちます。もし、母体の下半身(陰)が冷えていれば、胎児は頭を守るために頭を上に向けているとも考える事ができます。

このように考えると逆子は胎児が自分の体を守ろうとする一種の防衛反応と言えます。

〈なぜ逆子はダメですか?〉

赤ちゃんが出産時に頭から出てくるのが正常ですが、逆子の場合は出産時に足やお尻が先に出てきて、最後に頭が出てくることになります。大きな頭が最後に出てくるということは、かなりの危険が伴ってしまいます。
そのため逆子はほとんどの場合で帝王切開での出産となります。帝王切開で出産をされた方の場合、のちのち腰痛が出てくるということもよくありますし、そして、自然に分娩した方が身体の回復も早いと言われます。

〈西洋医学の逆子に対する対応〉

自然に治るのを待つ

自宅での逆子体操の指示

児背を上にした側臥位の指示

35週頃 外回転術(張り止めの点滴をしながらお母さんのお腹の肌を通じて胎児を外から医師の手の力で回すという方法もありますが、外回転術には、適応妊娠週数とリスクもあり、実施して下さる産科医の先生もとても少ないのが実情です。)

臨月(妊娠36週)でも治らなければ帝王切開をしましょう。 という流れが多いようです。

〈東洋医学の逆子に対する対応 
〉

東洋医学的な逆子治療はお灸と鍼を組み合わせて行うことによって下腹部を間接的に温めること事で逆子が治る可能性があるということです。

鍼灸は昔から逆子の治療に使われてきたとても有効的な伝統的な方法です。

現代医学の研究では「至陰」などのツボに温灸療法を施し子宮の緊張緩和、胎動増加、子宮周囲の体表面温度の上昇が認められ胎児の自己回転する環境が作られたことにより、逆子を矯正することができるという報告があります。

〈治療時期〉

妊娠の27週くらいまでは全体の30~40%の方が逆子であるといわれています。ですから27週までは逆子治療は必要ないと思います。

28週以降で逆子の場合には、治療は通常、週に数回のお灸治療を行います。 時期は妊娠28週~35週まで出来ますが、その早い週ほど良い結果がでています。

これ以上の治療で改善しなかった場合は、何らかの原因があるように思われます。それでも根気よく治療していけば治る場合もあります。
※胎児が2300gより大きくなると子宮の中で回転するのが困難になります。

〈逆子で注意することは?〉

保温を心がけ無理をせず ゆっくり休むことが、とても重要です。

家事程度はよいですが、意識して行っている運動
、長時間のウォーキング、マタニティ向けの運動の習い事などは一時お休みして下さい。(尚、逆子が治れば反対に適度な運動は積極的に行っていただきたいものです。)
体が冷えると体が硬くなるのと一緒で、子宮も冷えると硬くなりやすくので、夏でも生足厳禁 体温より低い飲食は避けましょう。常に、ゆるめ、かつ、あたたかにして、ゆったり過ごすことも大事なことです。


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