もくの木ブログ
2016.09.16
♣ 頭痛について ①〈頭痛の鑑別について〉
頭痛の鑑別について
頭痛でお悩みの方が多く治療院に来られます。
まずはカウンセリング。症状を細やかに確認し、頭痛の原因と分類の鑑別を行います。日本には頭痛を訴える方が約3000万人(国民の4人に1人)いると言われています。
頭痛は文字通り頭部の痛みや不快感の総称です。正式には顔面痛なども含めて、頭全体の痛み、圧迫感、不快感も全て頭痛としています。頭痛の症状は、片側であったり拍動性に感じたり、頭全体が重々しく感じられたり、耳鳴りを伴ったりと様々です。成人の方で、今までに頭痛を経験したことが無いという人は稀だと思います。それほど頭痛は我々の生活の中で良く見られる症状であり、皆さんがいつも感じる頭痛が生命を脅かすほどの危険性が無いものであることは経験上知っていると思います。とは言え、仕事や育児に支障を来すほどの痛みは耐えかねます。頭痛薬でいったん痛みを抑えても、原因を解決しなければ何度でも痛みが襲ってきます。
頭痛の原因次第では、鍼灸施術は非常に効果があります。
しかし、鍼灸施術の前に一刻も争う危険な頭痛もあり、まずは病院受診を急いでください。いつもの頭痛とは少し違うものや、非常に強い痛みは心配です。
頭痛には、【一次性頭痛】と【二次性頭痛】という分類があります。
【一次性頭痛】 頭痛以外に原因が無い頭痛のこと。原発性とか機能性頭痛とも言います。概ね、鍼灸施術の対象となる頭痛です。(頭痛ついて ② で説明します)
【二次性頭痛】 ※ここで紹介するものは、危険な頭痛ばかりです。続発性・器質性頭痛とも言い、原因のある頭痛のことを言います。
〈頭頸部の外傷によるもの〉 代表的なもの「硬膜下血腫」
〈頭頸部の血管障害によるもの〉 代表的なものに「くも膜下出血」
〈頭蓋内疾患によるもの〉 代表的なものに「脳腫瘍」
〈(化学)物質によるもの 〉代表的なものに「シックハウス症候群」
〈感染症によるもの 〉代表的なものに「髄膜炎」
〈恒常性(ホメオスターシス)の障害によるもの〉 低酸素・高二酸化炭素→人ごみ、高山、無呼吸症候群や低血糖・低血圧・高血圧などが誘因です。※高血圧が原因で頭痛が起こる事はめったに無い。逆に、高血圧にさせている原因(例えば肩こり)が頭痛も誘発している事はよくあることです。
〈頭蓋骨・首・眼・耳鼻・副鼻腔・歯・口腔の痛みによるもの〉文字通りこれらの場所に何らかの症状があり、それが周囲の筋緊張を起こし頭痛の原因になったり、炎症が神経を刺激してそれが頭部や顔面に放散すると頭痛が起きることがあります。
二次性頭痛のうち、放って置くと生命の危機に及ぶ可能性がある頭痛もあります。このような頭痛の場合、鍼灸治療を受ける前に必ず病院を受診して原因を特定して下さい。
鍼灸施術の対象となる頭痛は、次回(頭痛ついて ② )で説明します。少しお待ちください。