もくの木ブログ
2024.06.09
📖 東洋医学でいう湿邪とは・・・、
2024.05.12
📖東洋医学でいう「5月病」・・とは、
「五月病」という言葉があるように、ゴールデンウィーク明けはだるさや疲れ、精神的な落ち込みなどを訴える患者さんが少なくないです。
東洋医学的な観点では、思の感情の過剰から「脾」が傷つけられたことによる気の不足と、「心」が傷つけられ精神活動が不安定になっている状態と捉えます。
5月病は、いわゆる病気未満の「未病(みびょう)」の状態です。そのため、病気になってしまう前の早めの対処が肝心です。
ただし、残念ながら途端に元気になるような即効性のある方法はありません。 気分が落ちているときには大変かもしれませんが、規則正しい生活を送るといった心がけが、抜け出す近道になります。
●十分な休息をとる睡眠を十分にとり、心身の疲労を回復させる。
●適度な軽い運動を行い、ストレスを解消し自律神経のバランスを整える。
●栄養バランスの良い食事をとり、体調を整える。
ご自愛なさって下さい。
2023.09.02
📖 鍼灸で、なぜ「はり施術が効く」と言われるのでしょう?
髪の毛ほどの細い、金属の「はり」で身体のツボを刺激するだけで、いろんな症状が改善してしまう。そのしくみを解説します。 人間の身体には、微弱な電気信号が流れています。そして金属は電気を通します。はり施術が効くのは、「はり」が金属であるために、身体のツボに「はり」が接触することによって身体に流れている微弱な電気信号を変えてしまうからだと言われています。 これによって血流の状態が変わり全身に影響がでてきます。金属で身体の微弱な電流を変化させる、人間の身体には目に見えない様々な機能が備わっているのです。
2023.07.10
📖 鍼灸と、 指圧、マッサージとの違いは・・・。
指圧やマッサージは、指先での押圧によりツボやコリを刺激して血液やリンパの循環を促し、新陳代謝を活発にして免疫力を高める方法です。
コリを指でほぐすことにより、押圧される気持ちよさと、リラクゼーション効果が高いので、精神的な安定感を促す意味でもとても効果があります。
しかしながら、指圧は「はり」のように金属でないので身体の状態を変えるのに即効性がないことと、指先というのは範囲が広いので、ツボのような小さな的にはおおざっぱにしか対応しにくい面があります。
また、一つのツボを押したからといって全身に変化がでるわけではなく、使用するツボやマッサージする範囲も必然的に広範囲になり、効果を実感するにはそれなりの施術時間が必要になる方法です。終わった後のスッキリ感は何者にも代えがたいものがありますが、皮膚の上から押圧するので身体の内部までの影響は限定的となります。
📖 学生さんの「はりきゅう施術」とは?
◎各種スポーツによる疾患、試合の前のコンディション調整などは言うまでもありませんが、声楽とか楽器をされている学生さんがコンクールなどで、より良いパフォーマンスを発揮するためにもはりきゅうの効果が期待できます。
◎もちろん、朝起きることができない、なんだか疲れが取れない、生理が来ない、など生活面での様々な症状に対応しますので、お気軽にご相談ください。
📖 「こどもはり」とは・・・、 はりは子供にも効くのですか?
◎子供が夜泣き止まない。キーキー声を出したり、気性が荒かったり。おねしょが治らない小学生や、アトピー、小児ぜんそくがなかなか治らない・・とお悩みのお母さんに。
◎はりきゅうは、このようなお子様の困った症状にも良く効きます。「こどもはり」は、新生児~小学生向けの治療です。子供は大人のミニチュアではありませんので、「こどもはり」という特有の治療法があります。大人の鍼治療とは異なり、「刺さないはり」で治療を行います。
◎当院の治療では生まれたばかりの赤ちゃんから、小学生までを「こどもはり」として扱っております。
📖なぜ「はり施術が効く」と言われるのでしょう?
髪の毛ほどの細い、金属の「はり」で身体のツボを刺激するだけで、いろんな症状が改善してしまう。そのしくみを解説します。
人間の身体には、微弱な電気信号が流れています。そして金属は電気を通します。はり施術が効くのは、「はり」が金属であるために、身体のツボに「はり」が接触することによって身体に流れている微弱な電気信号を変えてしまうからだといわれています。
これによって血流の状態が変わり全身に影響がでてきます。
金属で身体の微弱な電流を変化させる、人間の身体には目に見えない様々な機能が備わっているのです。
2023.06.15
📖 当院でお灸を使う理由は?
◎当院ではお灸も頻繁に使用しますが、「はり」とはまた別の目的で使っています。
「はり」は全身の血流・脈を一瞬で変えることができますが、お灸は比較的効果がでるのがゆっくりと、しかし持続的にでてきます。
心地よい温熱刺激により患部を温めたり、ほぐしたりするのもお灸ならではのものです。もぐさのかおりにより、精神を癒すアロマ効果もあります。
2023.05.27
📖 はりきゅう施術で アレルギー症状は?
◎鼻水・鼻詰まり・目のかゆみ・目ヤニがとまらない・頭痛・頭重感・皮膚の痒みなど不快な症状が多岐にわたっています。
◎はり治療が効くのは、花粉などの異物が入ったときに「これは異物だ!追い出せ!」とアレルギー反応として上のような不快な症状がでるのではなく、異物が入っていても平気、鼻水や目やになどで無理やり外へ出さなくても身体が異物に耐える様な力が付くのです。
これが免疫力が高まるということなのです。
📖 はりきゅう施術で 花粉症の症状は?
◎まず、つらい鼻水や鼻づまり、目ヤニなどといったつらい症状が緩和します。鼻水などの症状が出ない日が増えていきます。翌シーズンは花粉症が出ないか、ごく軽くなっている実感するはずです。
◎当院のはり施術は全身治療です。
鼻水が出ているときに鼻炎の特効ツボに施術するだけでは、一時的な治療となります。全身治療をすることで翌シーズンからの花粉症の軽減・消失を実感できると思います。
2023.05.14
📖 なぜ「はり治療が効く」と言われるのでしょう?
◎髪の毛ほどの細い、金属の「はり」で身体のツボを刺激するだけで、いろんな症状が改善してしまう。そのしくみを解説します。
◎人間の身体には、微弱な電気信号が流れています。そして金属は電気を通します。はり施術が効くのは、「はり」が金属であるために、身体のツボに「はり」が接触することによって身体に流れている微弱な電気信号を変えてしまうからだといわれています。
◎これによって血流の状態が変わり全身に影響がでてきます。
◎金属で身体の微弱な電流を変化させる、人間の身体には目に見えない様々な機能が備わっているのです。
2023.05.06
📖 経絡(けいらく)とは
◎日本全国を様々な電車の線が通っているように、身体のすみずみまで、人が生きるために必要な、生命エネルギーである「気」や「血」を流す「身体のエネルギーライン」が経絡です。
◎経絡には12の「正経」と8の「奇経」があります。
「正経」は電車でいうとメイン線です。重要なツボ(駅)もたくさんあり、とても重要な線です。
「奇経」は支線、サブ的な線です。
◎人間の身体の至る所をこのような「経絡」がめぐり、くまなく生命エネルギーを循環する橋渡しをしているのです。
📖 鍼灸で言う、ツボとは・・
◎「身体の表面に現れる反応点」のこと。
◎ツボは、生命エネルギーである「気と血」の通り道である「経絡(けいらく)」上にあって、気血が出入りしたり、経絡が合流したり、分岐したりする経絡上の重要なポイントになっています。
◎ちょうど経絡を電車のライン、気血を電車、そしてツボ(経穴)を駅に例えるとイメージしやすいかもしれません。
◎ツボは気血が滞りやすい場所でもあるのです。気血が滞ってしまったら、身体がスムーズに動くことができなくなってしまい、不調を感じやすくなります。
◎ツボにはりでもお灸でも指圧でも、何かしらの刺激を加えると、気血の滞りが改善され経絡を気血がスムーズに流れていき、身体の不調が改善されます。
2023.05.05
📖 未病を治す
東洋医学の古い文献、黄帝内経には「上工は未病を治す」と云う言葉があります。
これは治療に秀でた医師は、目の前の患者の漢方的な体質を考慮して、次に起こる病態を予想し、その予想に基づいて次の手を打つことにより、未然に発生を防止するということが重要と書かれています。
当院の鍼灸治療は、あくまでも東洋医学的な考え方に基づいて病態がどのように変化するかを予想し、治療を行います。
東洋医学の未病という考え方は、予防医学ではなく予想医学という表現があっている様です。
2022.10.03
♣️ 顔面神経麻痺について
顔面神経麻痺とは
顔面の表情筋(表情を作る筋肉)を支配する顔面神経が麻痺し、顔面の動きが悪くなる病気のことです。通常は片側だけが麻痺し、両側が麻痺することはまれです。
人間の複雑な表情は約20種類ある表情筋によって作られ、各筋肉が個別に動くように指令を送っているのが顔面神経です。この顔面神経経路のどこかが障害されると表情筋の動きが悪くなり、まぶたが閉じない、食べ物が口からこぼれ落ちるなどの症状が現れます。
顔面神経麻痺は中枢性と末梢性(ベル麻痺・ハント症候群)に分類されます。
原因
中枢性
中枢性の顔面神経麻痺は、脳梗塞や脳出血といった脳血管障害、生まれつきの病気であるメビウス症候群などによって起こります。頻度としては1%以下で、ほとんどが末梢性によるものとされています。
末梢性
①ベル麻痺
単純ヘルペスウイルス1型(口唇ヘルペスなど口の感染症の原因ウイルス)による感染症
その他のウイルス、例えば、コクサッキーウイルス、サイトメガロウイルスのほか、流行性耳下腺炎、風疹、単核球症、またはインフルエンザの原因ウイルスなども、ベル麻痺の原因になることがあります。感染症にかかると神経が腫れ、神経が通る頭蓋骨の細い通路の壁に押しつけられて圧迫を受けます。
②ハント症候群
水痘帯状疱疹ウィルス(水ぼうそうのウイルス)が原因です。水痘帯状疱疹ウィルスは小児期に初感染した後、顔面神経の膝神経節に潜伏感染します。
潜伏感染した水痘帯状疱疹ウィルスが免疫力低下により再活性化するとハント症候群が発症します。
顔面神経自体に障害を来すものを末梢性顔面神経麻痺といいますが、ハント症候群は末梢性顔面神経麻痺の約15%を占めます。
*ベル麻痺とハント症候群の違い
ベル麻痺は、片側の顔面神経麻痺だけで、それ以外の症状などがみられないものをいいます。
これに対して、ハント症候群とは、麻痺をおこしている側の耳に帯状疱疹ができたり難聴がおこったり、また、めまいを伴ったりするものをいいます。
③外傷性
交通事故や他の事故により頭蓋骨、顔面部を強打、骨折した際に起こる疾患です。
④その他
腫瘍、先天性、手術の後遺症、中枢性(脳神経)からの麻痺などがあります。
症状
中枢性
中枢性顔面神経麻痺は、大脳皮質から皮質延髄路、皮質網様体路など、顔面神経核に至るまでに原因がある場合に起こる顔面神経麻痺の総称です。
通常、顔面の下半分にある表情筋は、反対側の大脳皮質に支配されています。そのため顔の片側の下半分に麻痺が起こりますが比較的軽い傾向です。
末梢性
急に発症し,麻痺のピークが2日以内であることがほとんどです。発症1~2日前に,耳介部から乳様突起部にかけての痛みやしびれを感じることもあります。
・顔の表情筋麻痺。
・顔面片側の額のしわ寄せ不能。
・閉眼不能(目の渇き)。
・患側の鼻唇溝は消失し,口角は下垂します。
・口を動かす筋肉も影響するため食べ物、飲み物をこぼす。
・また聴覚過敏が生じたり味覚の異常が現れたりする場合もあります。
中枢性(脳の疾患)の顔面神経麻痺は額にしわ寄せ(左右両方)ができますが末梢性顔面神経麻痺はしわ寄せができなくなります。
耳介後部の疼痛,患側舌の味覚障害,涙液の分泌障害,聴覚過敏などを併発することがあり,こうした症状により顔面神経経路の障害部位を推察します。
治療
薬による早期の治療と鍼灸治療の併用が理想的
病院で顔面神経麻痺と診断されると治療は副腎皮質ステロイドや抗ウイルス剤の点滴、星状神経節ブロックなどを行います。それで改善しなければ血流改善剤や神経賦活剤などの薬が処方されます。
西洋医学の初期治療は有効ですが時間が経てば経つほど治りにくく後遺症が残りやすくなります。
西洋医学だけでなく、鍼灸治療を併用することで早期改善が期待できます。
西洋医学の初期治療は有効ですが時間が経てば経つほど治りにくく、後遺症が残りやすくなります。
西洋医学だけでなく、鍼灸治療を併用することで早期改善が期待できます。
麻痺を発症後、なるべく早め(3日以内)に医療機関を受診し、ステロイドや抗ウイルス剤、ビタミン剤などで回復を促し、同時に鍼灸治療を週に2回から3回行いますと非常に効果的です。
この疾患での鍼灸治療は首、肩、背中の緊張をとることは勿論のこと、お顔にも鍼(置鍼)をしつつ、お灸での治療も行っていきます。鍼灸治療で可能な限り体の疲れを取り除くことで血流が良くなり、薬の効果も最大限発揮されるのではないかと考えております。
2020.08.28
🎵「音」だより
What the World Needs Now…………………. Is Love.
1970年代前期、私が中学時代の多感な時代、音楽・映画小僧で高松での上映洋画を片っ端から見ていた時代でした。映画音楽を通して音楽の世界にも夢中でした。
今でもその頃のいくつかメロディーをいつの間にか口ずさみます。「What the World Needs Now Is Love.」もその1つです。
3月に他県に転勤された方から先日連絡がありました。コロナ禍、気になっている友人です。その連絡にほっとしています。何故か、この曲を口ずさんでいました。そうだ、この楽曲の歌詞、「何か、今、必然的・・・・だったかも」
「What the World Needs Now Is Love」は、1965年、ハル・デヴィッド作詞、バート・バカラック作曲の楽曲。当初、ディオンヌ・ワーウィックのために書かれた楽曲だったようですが、ディオンヌには断られたそうです。「歌詞があまりに説教臭く感じられたのかもしれない。」と後にバートが言われているようです。時代はベトナム戦争まっさかり。
そして、ジャッキー・デシャノンが歌いヒットした。このメロディーは私の懐メロの1つです。コロナ禍、何か救われる楽曲です。
2020.08.27
🎵「音」だより
最近、時々、治療院で流れている「音」、メアリー・ルー・ウィリアムスさんのピアノ。院長の最近のお気に入りです。
2019年11月の「🎵「音」だより」で、ジャズ界の女流ピアニストの第一人者として、マリアン・マクバートランド(白人)とメアリー・ルー・ウィリアムス(黒人)をあげました。今回はファースト・レディ・オブ・ジャズの愛称で呼ばれてきたピアニスト・作曲家・編曲家のメアリー・ルー・ウィリアス(1910年生まれ)さんの紹介です。
彼女はデューク・エリントンやベニー・グッドマンに楽曲を提供・編曲しており、さらに若い人達にジャズの指導をしています。その時の生徒たちは、ディジー・ガレスピー、マイルス・デイヴィス、セロニアス・モンク、チャーリー・パーカー、とのことです。1981年に亡くなるまでに100枚以上のレコードを産み出したそうですが、大々的に日本で紹介される機会がなかったそうです。
メアリー・ルー・ウィリアスさんの音は、独特なコードが散りばめられていて、絶妙な間のスィンギーな演奏です。当時米国では「ゾンビ・コード」と言われたそうです。いいです。飽きません。
治療中には向かない演奏ですが、素敵です。
2020.08.16
📖「もくの木」だより
夏バテって何でしょう。
8/7、暦の上では「立秋」。はじめて秋を感じる日となっています。「ええ〜、高松では連日38度前後の猛暑日。どこが・・・?」暦は古代中国で作られ、今でいう華北地方の気候をもとにしています。島国日本の気候では季節感にずれが生じます。現在の世界の気候はそれ以上に変動しているようですが・・・。
日本の夏は高温多湿。“過剰な熱さ・湿気”は百害あって一利なし。体調が崩れ、さまざまな症状を引き起こしやすくなります。「だるい」「食欲がない」などを症状とする夏バテは、熱中症やひと昔前の夏バテのパターンです。最近の夏バテは、暑さそのものよりも、外気の暑さと、むしろ寒いと感じるほど冷房の効いた室内とを出入りすることにより、環境の変動に身体がついていけないことが大きな原因で、そこに、冷たい飲食物や大量の飲料水が身体の内側に攻撃をかける、というパターンが多いようです。
【夏バテの主な症状】
□ カラダが重だるい・倦怠感
□ ヤル気が出ない・無気力
□ 食欲がなくなる
□ 下痢・便秘
□ イライラする
□ カラダが熱っぽい・のぼせ
□ めまい・立ちくらみ
□ 頭痛
【夏バテ予防策】
①こまめな水分補給
・水やお茶などこまめに取るように心掛ける。
・糖質の多い清涼飲料水の飲みすぎは、糖質の分解にビタミンB1を多く消費されるので、疲労感を増しやすいので要注意。
・ビールは、利尿効果があり、飲んだ量の1.5倍の排尿があるので、水分補給にはならない。
②身体の冷やし過ぎに注意する。
・身体の冷やす過ぎ、外気温との激しい温度差は、自律神経を乱します。
・エアコンの風が直接あたらない、寒さを感じたら衣類や膝掛け等で調整。
・涼しい時間での軽い運動は、自律神経を整えるにも有効。
③睡眠をしっかり取る
・疲労回復や自律神経を整えて体調不良を改善するには、睡眠がとても大切。
・エアコンのタイマーや扇風機などを上手に使い、冷やしすぎ内容に要注意。
④食事をしっかり取る
・暑さにより胃腸の働きが弱り食欲が落ちたりします。食事内容は少しでも多くの品目が食べられるよう配慮。
※ 言わずと知れた内容ではありますが、予防策で思い当たる部分があるようでしたら、取り入れてみてください。ご自愛されてください。
2020.06.30
📖「もくの木」だより
今年の夏の「土用」は、土用入り:2020年7月19日(日)土用明け:2020年8月6日(木)となります。
皆さま、新型コロナウイルス感染症において、まだまだ気を抜けない状況が続いておりますが、いかがお過ごしですか。
感染予防として、「目、鼻、口」からウイルスの侵入を防ぐことが重要な予防策として周知のことですが、「疲れないようにする」体力維持、自己免疫力を上げておくことも重要とされています。
さて、例年のことですが、今年も夏の「土用」が訪れる時期となりました。東洋医学では一般的に1年で最も体力、自己免疫力が落ちる時期とさせているのが、夏の「土用」です。
360日を春夏秋冬の四季に仕切ると一季が90日になります。その季節の終わり18日間を土用と言い、各季節は90日ー18日で72日となり、土用も4つ合わせると18日×4で72日となります。
夏の土用を「長夏」とも言い、最も暑くなり湿気も多く体力も消耗するので格別扱いされています。また東洋医学では、春は肝、夏は心、秋は肺、冬は腎、季節の変わり目は脾というように臓器にもその五行を当てはめます。そのため、春は肝に負担が掛かってイライラしやすく、夏は心を乱して落ち込みやすく、秋は肺を痛めて呼吸器系の症状が出やすく、冬はエネルギー源でもある腎が不調をきたしやすくてギックリ腰やめまいが出やすいと言われています。そして「 季節の変わり目 」は、脾臓を含めた胃や腸に負担が掛かり、消化吸収機能が落ちると言われています。
だから、その消化吸収機能が落ちるタイミングで、それを補う「 鰻 」を食べるという養生法が江戸時代から有名になっています。
例年とは違い、新型コロナ感染症への対応も含め、暑く湿気の多い長夏を乗り切るためにも、皆さん、今まで以上に自己免疫力向上のため養生されてください。
東洋医学(鍼灸・漢方)では「未病の治療」を重視し、自己免疫力を上げ、生体防御能を増すことを役割と考えています。
2019.11.11
🎵「音」だより
最近、治療院で流れている「音」、マリアン・マクバートランドさんのピアノ。院長の最近のお気に入りです。
マリアン・マクバートランドさんは1918年(英国生れ)、第2次世界大戦中はアメリカのジャズミュージシャンと共にヨーロッパ戦線の慰問に廻り、アメリカ人の夫と共にシカゴで音楽活動、スイング期からビ・バップ期、今日のジャズ、ジャズの歴史のほとんどをリアルタイムで活躍され、2013年(享年95歳)に亡くなられています。
マクバートランドさんの音は、ほのぼのするような、じっと耳を傾けたくなるような演奏です。安心して聞け素敵です。
ジャズ界の女流ピアニストの第一人者として、メアリー・ルー・ウィリアムス(黒人)とマリアン・マクバートランド(白人)が挙げられます。
マクバートランドさんは往年、演奏活動だけでなく、子供達に「ジャズの面白さ」を伝授する教室を全米で展開されたとのことです。
素敵です。
2019.07.28
📖「もくの木」だより
📖「厄払い」なぁに?
東洋医学の教科書ともいえる文献『黄帝内経(こうていだいけい)(AD200年〜200年に編成)』には、「女性は7の倍数」「男性は8の倍数」の年齢の時に節目を迎え、体に変化が訪れるという記述があります。前記の「陰陽五行説」の考えからですが、女性は19歳、33歳、37歳、男性は25歳、42歳、61歳、とされています。厄年、厄年前後の年齢では、体の変調に気をつけましょうと言うことです。
厄祓(やくばら)いを神社やお寺でやっているので、「厄年は宗教的なもの」と思いがちですけど、仏教の教えや神道の考えに、厄年っていう概念は無いようです。
厄年の方もそうでない方もご自愛されてくださいね。
2019.07.10
📖「もくの木」だより
今年の夏の「土用」は、土用入り:2019年7月20日(土)土用明け:2019年8月7日(水)となります。
東洋医学では「陰陽五行説」という五つの要素で世界ができていると考えられてます。五行は木・火・土・金・水の5つでできてます。
季節を春( 木 )・夏( 火 )・秋( 金 )・冬( 水 )に当てはめ、残った「 土 」を季節の変わり目に当てはめました。
360日を春夏秋冬の四季に仕切ると一季が90日になります。その季節の終わり18日間を土用と言い、各季節は90日ー18日で72日となり、土用も4つ合わせると18日×4で72日となります。
中でも夏の土用を「長夏」とも言い、最も暑くなり湿気も多く体力も消耗するので格別扱いされています。
また東洋医学では、春は肝、夏は心、秋は肺、冬は腎、季節の変わり目は脾というように臓器にもその五行を当てはめます。
そのため、春は肝に負担が掛かってイライラしやすく、夏は心を乱して落ち込みやすく、秋は肺を痛めて呼吸器系の症状が出やすく、冬はエネルギー源でもある腎が不調をきたしやすくてギックリ腰やめまいが出やすいと言われています。
そして「 季節の変わり目 」は、脾臓を含めた胃や腸に負担が掛かり、消化吸収機能が落ちると言われています。
だからその消化吸収機能が落ちるタイミングで、それを補う「 鰻 」を食べるという養生法が江戸時代から有名になっています。
何にしろ、暑く湿気の多い長夏を乗り切るためにも、皆さん、養生されてください。
2018.10.29
🎵「音」だより
「音」のライブはやはり良い。かなり良い。
フラメンコのライブを堪能しました。
知人のhideさん(ボーカル)nanaさん(ダンサー)が出演、高松「バル・マル・エスパーニャ」でのライブ、素敵でした。
hideさん(ボーカル)は圧巻、すごい。nanaさん(ダンサー)はステキ。
またお邪魔します。
2018.05.09
🎵「音」だより
治療院で流れている「音」、夕刻からもピアノ・ベースの音になっていますが、院長の気まぐれで日替わりで変わります。ビル・エバンス、キース・ジャレット、ミッシェル・ペトルチアーニ、坂本龍一、etcなどが多いようです。
院長の最近のお気に入り、治療中はあまり流れないですが、ジャズピアニストのアーマッド・ジャマル(Ahmad Jamal 1930年7月2日生)、「音」が気に入っています。
アーマッド・ジャマルさんは1951年に初録音。現在も現役で演奏活動をされています。現在88歳、音楽活動70年近く・・カッコイイ・素敵です。 現在も「音」が新鮮・・カッコイイ・素敵です。
(26歳頃のジャマルさん)
(84歳のジャマルさん)
2018.04.11
🎵「音」だより
治療院で流れている「音」、午後もピアノ・ベースの音になっています。ジャズ・ピアノ・トリオ、「ヨーロピアン・ジャズ・トリオ」の音が6割ぐらいしめているようです。
幅広いジャンルの楽曲をジャズ・アレンジングで、耳ざわり良いアレンジングが素敵だと思います。ジャズに傾倒されている方々には軽く感じるかと思いますが、治療院ですので良いかと思っています。アレンジングが本当に素敵だと思います。
1989年に結成、数回のメンバーチェンジを経て現在に至っているようです。ピアニストのマーク・ヴァン・ローン(p)はビル・エヴァンスから強い影響を受けているようです。
2018.04.06
☕️「もくの木」て、どんな木。②
当治療院名の「もくの木」という樹木は存在します。
もくの木ブログ(2016年9月14日投稿)「「もくの木」て、どんな木。①」では「・・・あまり詮索せず、架空の木でいいかなぁ・・・と思っています。」と表現しましたが、見つけました!
知人の勧めで、花見の下見がてらに西山崎町の綱敷公園あたりを散策していますと、ありました。「大石さんのモクノキ(通称「モクノキ」)」との表記!
とうとう見つけました。昔、高松の西の方ではムクノキをモクノキと言っていたようです。
何かスッキリしたようで、架空でいたかったような・・・。
2018.04.04
🎵「音」だより
治療院で流れている「音」は、開院以来、ほとんど変わっていないことに気づきました。
特に午前中はピアノのソロ、ピアニストは「インブリット・ヘプラー」さん、「モーツァルト:ピアノ・ソナタ集」というところです。
クラッシック音楽に詳しくありませんが、ヘプラーさんの音が気に入っています。ヘプラーさんはオーストリア出身で1926年生まれ、現在92歳となります。1986年に録音された音源のようです。
治療院に流れる「音」として、重くなく、明るく、感じよくというところから、モーツァルトの楽曲とヘプラーさんのピアノのベストマッチと気に入りました。時々「辻井伸行」さんの演奏もピックアップしています。辻井さんもいいですね。
気がつくと、午前中はずーと同じ「音」が流れています。ヘプラーさんお元気でいらっしてください。
2017.10.01
🌳9月24日(日) もくのき会・小児はり体験会 ご参加ありがとうございました。
今回は、お母さんのサポーター「こどもの夜尿症・治し隊」、夜尿症をテーマにお話しもさせて頂きました。
秋晴れの清々しい天候でした。小児はりに興味をもたれた方々、ご参加して頂きありがとうございました。
おねしょと夜尿症、赤ちゃんのおねしょは当たり前、でも将来少し不安、お母さん・お父さん方、真剣に聞いて頂きました。
ありがとうございました。次回もご期待ください。
2017.07.24
🌳7月23日(日) もくのき会・小児はり体験会 ご参加ありがとうございました。
今回は、お母さんのサポーター「こどもの夜泣き・治し隊」、夜泣きをテーマにお話しもさせて頂きました。
蒸し暑い天候でしたが、小児はりに興味をもたれた方、赤ちゃんの育児に悩まれている方など、参加して頂きありがとうございました。
夜泣きのお話しも、お母さん・お父さん方、真剣に聞いて頂き、割とゆったりした時間の流れの体験会だったかと思います。子供たちも少しお友達になったような。
また、お母さん方のお話しから、次回に繋げる課題も頂きました。
次回は2ヶ月後、9月24日(日)に予定しています。乞うご期待!
協賛治療院等「もくのき会」スタッフ、お疲れさまでした。そして応援に駆けつけて頂いた杉本先生と赤ちゃん、ありがとうございました。
2017.06.27
🌳 6月25日 小児はり 親子相談/体験会 ご参加ありがとうございました。
小児はり 親子相談・体験会 「もくのき会」にご参加頂き、ありがとうございました。
当日は雨模様の天候でしたが、小児はりに興味をもたれた方、赤ちゃんの育児に悩まれている方など、参加して頂きありがとうございました。
スタッフ共々、しっかりお話を受けながら小児はりの体験をして頂いたつもりですが、デリケートな部分は治療に繋げて頂けると幸いです。
また、お話を受けながら新たな課題(相談される方のお悩み)も見えてきましたので、次回に繋げたいと思います。次回は1ヶ月後、7月23日(日)に予定しています。乞うご期待!
協賛治療院等「もくのき会」スタッフ、お疲れさまでした。そして応援に駆けつけて頂いた大麻先生、ありがとうございました。
2017.03.31
♣ 不妊の悩みと鍼灸ケアについて
不妊症とは、病名ではなく、避妊をしていないにも関わらず、2年以上妊娠に至っていない状態のことを言います。
〈不妊の原因とは〉
不妊の原因は、男性因子40%、女性因子40%、原因不明20%と言われています。決して女性だけの責任ではないのです。
妊娠とは、本来、心身ともに健康であってはじめて成立するものです。健康な方が余剰エネルギーで子宮の中で新しい命を育て、出産に至ることができます。ところが、現代の不妊で悩んでいる方の多くは、慢性的に冷えで悩まされていたり、疲れがいつまでも取れなかったり、ストレスでイライラや疲弊していたりと、とても「心身ともに健康な状態」とは言えないケースが多いのです。
このような状態で、自然妊娠に至らず、一般不妊治療から高度生殖医療・・人工授精(AIH)や体外受精(IVF)、そして顕微授精(ICSI)とステップが進んだとしても結果が出ず、落ち込み、もう赤ちゃんをあきらめてしまおうか・・という方も大勢いらしゃいます。
西洋医学では不妊には以下のような原因があると言われています。
- 排卵因子(卵が育たない)
- ピックアップ障害(卵子が正常に卵管采に取り込まれない)
- 子宮頚管因子(精子が子宮に入れない)
- 卵管因子(卵管狭窄・卵管閉塞・卵管水腫)
- 受精しない(卵子と精子がであっても受精できない)
- 受精卵の成長が止まる(受精したのに卵の成長が止まってしまう)
- 子宮因子(着床しない)
- ストレス(仕事や環境の変化によるストレス)
- 配偶者側に原因(勃起障害・乏精子症・精子無力症・無精子症など)
- まず、不妊治療や体外受精を行ったが、なかなかうまくいかない方へお伝えしたいのは、なかなか子供に恵まれないのは検査ではわからないところに原因があるかもしれないということです。
東洋医学では昔から、妊娠・安産には温かいカラダと言われています。
不妊には、「冷え」をとる鍼灸はとても適した治療法です。不妊症のことを「腎」の不足と考えています。では、「腎」とはいったい何のことでしょうか?
「腎」は単に腎臓のことを言うのではなく、生殖器をつかさどり、誕生・成長・生殖・老化に至る一生の身体を調整している総称です。ホルモンも含まれます。生殖器に関わりが大きい「腎」は妊娠・出産にとって、大事な役割を果たしているのです。腎が不足している状態というのは内臓、子宮、卵巣、精巣などが正常に機能できず、子宮内膜症、月経異常、排卵障害、また機能性不妊、冷えなどが起こり、妊娠しにくい体となってしまっていると考えられます。
もともと身体の力が十分でないのに、高度生殖医療を受けても良い卵が採卵できなかったり、うまく子宮に着床したとしても、流産してしまう悲しい結果が起こるケースが少なくありません。それは身体の方で、「このお母さんの身体は妊娠が維持できる身体ではないから、赤ちゃんを育てる力がない。外にだしてしまおう」と拒否反応のようなものを示すのですね。だから妊娠が維持できないし、そもそも良い卵子が採卵できないのです。
〈不妊の鍼灸治療とは〉
鍼灸治療では、全身の気、血液、水のめぐりを整えていきます。そうして、人間が本来もっている自己治癒能力を高め、心身のバランスを整えていきます。冷えによる血行の悪さは不妊症の方に多くみられる症状です。冷えにより子宮、卵巣がうまく働いていないことが多く、血液の流れを良くする治療は冷えの解消に最も有効だといえます。全身に停滞していた流れを良くすることで、卵巣や子宮などの臓器に元々持っていた本来の働きを取り戻し、元気になることで妊娠のしやすい体に変わっていきます。
産婦人科などでの不妊治療との併用治療も相乗効果が大きいのです。
赤ちゃんが育ちやすい子宮環境づくりが重要ということです。
2017.03.29
♣ 産後の悩みと鍼灸ケアについて ②
〈東洋医学に基づく産後鍼灸ケア〉
子宮の戻りが遅れる、悪露がいつまでも続く、産褥熱が出る、また、乳腺炎や膀胱炎、マタニティーブルーや産後うつなど、産後の悩みを見てきましたが産褥期の経過は人によってさまざまです。
〈なぜ、産後の肥立ちが良い人もいれば、悪い人もいるのでしょうか?〉
その違いは、その人の治ろうとする力、すなわち自己治癒力の強さによるのです。
自己治癒力とは、病から身体を守る免疫力や傷の修復能力、細胞が生まれ変わる再生能力や憂うつや落ち込んだ気持ちから立ち直る力などを言います。生命を維持して健康に生きていくために必要な力を総称して自己治癒力と言います。全ての人の身体に本来備わっているものです。
そして、出産後、元の身体に戻ろうとする回復力もこの自己治癒力の1つです。
〈では、なぜ自己治癒力は低下してしまうのでしょうか?〉
東洋医学では昔から「冷えは万病の元」と言われてきました。冷えは、人に本来備わっている自己治癒力を低下させてしまいます。みなさんの身体には疲れが必ずたまっています。疲れとは、仕事の内容、人間関係、食生活、生活習慣、これまでにかかった病気やけが、交通事故などが元になるものです。
そして、これらの要因が重なり合いながら、気血の流れ(血流)にかたよりやとどこおりが起こり、だんだんと身体の芯が「冷え」、自己治癒力が低下していきます。この冷えを「根元的な冷え」といい、様々な病の根本原因と考えています。近年、現代医学においても、免疫力の低下や自律神経の乱れが冷えと関係していると言われるようになってきました。
〈妊娠・出産は身体にとても大きな負担となります〉
特に出産にともなう出血や体力の低下は、気血の流れ(血流)に乱れを起こし、一時的に大きな「冷え」を生じます。そして、自己治癒力(回復力)が低下し、子宮復古不全を招いたり、悪露がいつまでも続いたり、菌への抵抗力が落ち膀胱炎や乳腺炎、産褥熱が出たりするのです。また、「冷え」は精神面にも影響が及び、産後うつを招くこともあります。
〈産後の鍼灸治療とは〉
鍼灸治療とは、「人が本来持っている自己治癒力がきちんと働くように導くこと」です。
産後、辛い症状が起きるほど低下してしまった治癒力は、自分の力だけでは回復が難しい場合があります。鍼灸治療はこの治癒力がきちんと働くように手助けをします。心と体が元気になる鍼灸治療は、産後ケアにとても適した治療法です。
2017.03.28
♣ 産後の悩みと鍼灸ケアについて ①
赤ちゃんを出産後、お母さんの体は妊娠前の元の身体に戻っていきます。この時期を産褥期(産後の肥立ち)といい、6週間~8週間と言われています。産後に身体と心が順調に回復していくことを、昔から「産後の肥立ちが良い」と言われてきました。
妊娠・出産は女性にとって、肉体的にも精神的にも大きな負担がかかります。特に産後は、出産時の出血や哺乳のために、血液が不足しやすい時期です。
そして、この時期には、悪露(おろ)がいつまでも赤い、高熱が出る、排尿時に痛む、乳房がはれて痛む、マタニティーブルーや産後うつなど、さまざまな悩ましい症状が起こることがあります。
ここでは、産後の症状と原因、そして東洋医学に基づく鍼灸治療の有用性についてお話します。
〈産後の悩ましい症状〉
〈悪露がいつまでも赤いとき〉
悪露とは、出産後に胎盤がはがれたあとの出血や産道の傷からの分泌物、粘液や細胞組織のかけらなどが混じり合って排泄される分泌液のことです。子宮組織が回復してくるので、悪露の色も薄く、量も少なくなっていきます。
しかし、10日以上をすぎても血が混ざったような赤い色をしている場合、子宮復古不全の疑いがあると言われています。
子宮復古不全とは、子宮の収縮が十分でないために子宮の回復が遅れることです。
悪露は産後3~6週間ほど続きます。子宮が収縮するにつれて、子宮内の傷も治り、出血もだんだんと減ってきます。
原因として、子宮内に胎盤の一部や卵膜のかけらなどが残っている場合や、悪露が出にくくなっている場合、また、子宮収縮を促すオキシトシンというホルモンの分泌が少ない場合などが考えられています。
子宮の回復が遅かったり、家事や仕事を早くからやり過ぎたりすると、いつまでたっても赤色の悪露が続くことがあります。
悪露の状態は、子宮の回復を示すバロメーターと言えます。
〈高熱が出るとき〉
産後2~3日したころ、突然38度~39度の高熱がでることがあります。これは産褥熱と言われています。
分娩の時にできた子宮壁や膣壁の傷から細菌が入ったことが原因です。出産後に体力が低下したために免疫力が落ち、体内で菌が繁殖したものと考えられています。また、悪露が停滞すると、細菌が増えやすい環境となるため注意が必要です。
他に、腎盂炎の場合も40度を超えるような高熱が出ます。細菌が尿道に入り、感染することがあります。産後は、子宮や膣、外陰部などさまざまなところに傷があるため、細菌に感染しやすい状態なのです。
産褥熱は、昔は母体の生命にも危険が及ぶために恐れられていましたが、現在では、分娩時に予防処置もとられるため心配は少なくなっています。
〈排尿時に痛むとき〉
尿の回数は多いのに、1回の尿の量は少なく、排尿時に痛みを感じる場合は膀胱炎の可能性があります。膀胱は産道と隣り合っているので、出産時の圧迫で傷がついたり、尿が出にくくなったり、細菌にも感染しやすくなるためです。悪露の手当てをきちんとして、清潔を保つことが大切です。
〈乳房がはれて痛むとき〉
これは、初産に多く見られる乳腺炎です。乳房が赤くはれて痛み、硬く、熱を持っている、などの症状があります。寒気がして38度以上の熱が出ることもあります。乳腺炎は、乳首の傷から細菌が入り、炎症を起こすことが主な原因と言われています。産後2~3週間になることが多いようです。
〈マタニティーブルー・産後うつ〉
マタニティーブルー・産後うつの原因は、西洋医学ではまだはっきりとはしていませんが、出産後はホルモンバランスが激変するため、これが精神状態に影響して起こると考えられています。マタニティーブルーは一過性の情緒不安定で、ちょっとしたことで憂鬱になったり、涙もろくなったり、イライラしたり、落ち込んだりします。症状は出産後2~3日以内にあらわれ、10日ぐらいで軽快します。通常、ホルモンバランスは1~2週間で妊娠前の状態に戻り、気持ちも自然に落ち着いてきます。
一方、産後うつは産後2~3週間から数カ月以内にはじまり、気持ちが落ち込み、終日ふさぎ込むなど心の症状があらわれます。一過性のマタニティーブルーとは違い、症状が1カ月、長いと年単位で続くと言われています。不安、不眠、食欲不振など身体的な症状を伴うこともあります。
2017.01.24
♣ 逆子について
〈逆子とは〉
妊娠の早い時期から赤ちゃんは、お腹(子宮)のなかで動いていますが、妊娠28週くらいから頭が下(頭位)になり安定するようになります。妊婦検診で28週くらいか、それ以前に逆子と判明しても、たいていは出産までに自然に治るので様子をみて下さいと言われることが多いです。
妊娠28週を過ぎると産科や助産院で逆子体操を勧められることが多く、逆子が問題になるのは28週くらいからです。
〈逆子の原因〉
東洋医学的には逆子は母と子の陰陽関係がおかしくなっている状態なのです。主な原因は母体にあります。お母さんの体のバランスが崩れていることによって起こるといわれています。たとえば、冷えが原因のことがよくあります。
昔から、「頭寒足熱」と言いますが、頭は冷めて足が温かいのが健康的です。頭は陽の部位ですから、冷えてバランスを保ち、足は陰の部位ですから、温かくしてバランスが保ちます。もし、母体の下半身(陰)が冷えていれば、胎児は頭を守るために頭を上に向けているとも考える事ができます。
このように考えると逆子は胎児が自分の体を守ろうとする一種の防衛反応と言えます。
〈なぜ逆子はダメですか?〉
赤ちゃんが出産時に頭から出てくるのが正常ですが、逆子の場合は出産時に足やお尻が先に出てきて、最後に頭が出てくることになります。大きな頭が最後に出てくるということは、かなりの危険が伴ってしまいます。 そのため逆子はほとんどの場合で帝王切開での出産となります。帝王切開で出産をされた方の場合、のちのち腰痛が出てくるということもよくありますし、そして、自然に分娩した方が身体の回復も早いと言われます。
〈西洋医学の逆子に対する対応〉
自然に治るのを待つ
自宅での逆子体操の指示
児背を上にした側臥位の指示
35週頃 外回転術(張り止めの点滴をしながらお母さんのお腹の肌を通じて胎児を外から医師の手の力で回すという方法もありますが、外回転術には、適応妊娠週数とリスクもあり、実施して下さる産科医の先生もとても少ないのが実情です。)
臨月(妊娠36週)でも治らなければ帝王切開をしましょう。 という流れが多いようです。
〈東洋医学の逆子に対する対応 〉
東洋医学的な逆子治療はお灸と鍼を組み合わせて行うことによって下腹部を間接的に温めること事で逆子が治る可能性があるということです。
鍼灸は昔から逆子の治療に使われてきたとても有効的な伝統的な方法です。
現代医学の研究では「至陰」などのツボに温灸療法を施し子宮の緊張緩和、胎動増加、子宮周囲の体表面温度の上昇が認められ胎児の自己回転する環境が作られたことにより、逆子を矯正することができるという報告があります。
〈治療時期〉
妊娠の27週くらいまでは全体の30~40%の方が逆子であるといわれています。ですから27週までは逆子治療は必要ないと思います。
28週以降で逆子の場合には、治療は通常、週に数回のお灸治療を行います。 時期は妊娠28週~35週まで出来ますが、その早い週ほど良い結果がでています。
これ以上の治療で改善しなかった場合は、何らかの原因があるように思われます。それでも根気よく治療していけば治る場合もあります。 ※胎児が2300gより大きくなると子宮の中で回転するのが困難になります。
〈逆子で注意することは?〉
保温を心がけ無理をせず ゆっくり休むことが、とても重要です。
家事程度はよいですが、意識して行っている運動 、長時間のウォーキング、マタニティ向けの運動の習い事などは一時お休みして下さい。(尚、逆子が治れば反対に適度な運動は積極的に行っていただきたいものです。) 体が冷えると体が硬くなるのと一緒で、子宮も冷えると硬くなりやすくので、夏でも生足厳禁 体温より低い飲食は避けましょう。常に、ゆるめ、かつ、あたたかにして、ゆったり過ごすことも大事なことです。
2017.01.22
🌳 開院1周年を迎え
番町もくの木鍼灸院は、本日、一月二十二日で、開院1周年を迎えました。
新天地での開院、改めて一からの再出発となりましたが、皆様の温かいご支援もあり、治療を通じて皆様の健康と向かい合いながらの日々を送ることができました。
小さな治療院ではありますが、皆様の治療に専念していきたく所存であります。
何卒変わらぬご鞭撻とご厚誼を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
2017.01.20
♣ 妊娠中の悩みと鍼灸ケアについて
東洋医学では昔から、安産には温かいカラダと言われてきました。
妊娠中のさまざまな悩みには、「冷え」をとる鍼灸はとても適した治療法です。全身の血流が良くなり、悩ましい症状が改善されます。
〈逆子〉
お母さんの下半身が冷えていると逆子になることがあります。逆子は、30週~34週ぐらいまでなら治りやすいと言われています。35週をこえると戻りにくいと言われますが、37週ぐらいまでは赤ちゃんが動けるスペースがあれば直ります。
逆子治療にはお灸がとても効果的です。
〈お腹のはり〉
お腹のはりには、生理的なはりと子宮収縮によるはりがあります。強いはりや痛みは切迫流産などの可能性もあるので医師に診てもらうことをお勧めします。鍼灸を続けていると血流がよくなり、お腹のはりがとれて赤ちゃんがよく動くようになります。
〈つわり〉
つわりの起こる理由は医学的にもまだはっきりしていません。ホルモンバランスや不安などの精神的な要因が関係しているのではないかと言われています。
鍼灸はこれらと密接に関連している自律神経にアプローチします。心身がともにリラックスして、症状がやわらいできます。
〈便秘〉
妊娠してから便秘に悩まされる人は少なくありません。お腹が大きくなってくると便が硬くなり痔になりやすくなると言われています。ホルモンバランスの影響や腸が圧迫されるためと考えられています。
お灸を続けることで腸の働きが活発になり、便秘は改善されていきます。
〈腰痛〉
妊婦さんの腰痛は、腰からおしりにかけて痛みが出やすくなります。体の重心の変化やホルモンバランスの変化のためです。
鍼灸により体が温まり、血流が良くなることで痛みはやわらいでいきます。痛み止めが使えない時期に鍼灸治療は最適です。
〈股関節痛・恥骨痛〉
股関節や恥骨に痛みが出てくる人もいます。出産に備えて骨盤周りの靭帯がゆるむためです。
これらの症状には鍼灸がよく効きます。
〈足がつる〉
寝ている時に足がつることがあります。
お灸や鍼で血行を改善することで足はつらなくなります。
〈安産のために〉
鍼灸は冷えをとり気血の流れを整えるので、精神安定作用もあります。出産に備えてからだを温く保ち、身心ともにリラックスしてください。鍼灸は副作用がないので、安心して治療を受けていただけます。
2016.10.21
♣︎ アトピー性皮膚炎について
アトピー性皮膚炎の主症状は、痒みを伴う湿疹です。
湿疹は、成長の時期によって湿潤性(じくじく)・乾燥性(カサカサ)へと変化していく傾向があります。
〈気管支喘息〉〈アレルギー性鼻炎〉〈アレルギー性結膜炎〉を合併することもあります。
またアトピー性皮膚炎の皮膚は防御機能が低下しているため、様々な細菌・ウイルス感染症を合併しやすくなります。
皮膚の痒みはもちろんのこと、皮膚の紅斑や苔癬化により外見にも変化が生じるため、肉体的・精神的苦痛を強いられる場合があります。
アトピー性皮膚炎の原因
アトピー性皮膚炎の原因は不明です。様々な可能性や関連性を指摘されていますが発症の機序は明らかにされておりません。アトピー性皮膚炎発症患者には血清IgE値の上昇などアレルギー反応が起きていることが殆どで、何らかの免疫異常が指摘されています。ただし、IgE抗体だけが原因ではない場合もあるようです。
当院の施術
アトピー性皮膚炎が発症していると、防御機能低下により体に悪さをする細菌やウイルスが感染し悪化しやすくなります。その上、免疫異常のため、様々なアレルゲンにも過剰なほどの炎症反応を示します。
この様な状態が改善せず皮膚炎が長期化すればするほど、表皮の破壊が続いてしまい回復が遅れてしまいます。一口にアトピー性皮膚炎と言っても、症状の程度(重症度)も人それぞれ。
強い症状がなかなか治まらない方は、問題点を整理しながら的確な施術を行うことが最も重要と考えます。そのため、当院では症状の程度により段階を追って治療を進めてまいります。
1. 今起きているひどい炎症を終息させる。
現在起きているアレルギー反応の原因を特定し、特定したアレルゲンから回避すること。詳しくお話をお伺いして、食事・空間・生活様式の中にあるアレルゲンを洗い出し、一旦そのアレルゲンを除外する必要があります。現在起きている炎症を徹底的に納めなければ次の治療ステップにいけません。
2. アレルギー反応で疲労した新体組織の回復を促し、病気を治癒させるための体力(気)を養う施術。
この段階から、原因で述べたようなあなたの体質・体調によって行う施術が異なります。例えば、痒さで眠れなければ寝ていただくための治療、痒さでイライラするなら精神的な安定を促す治療、食欲が無く下痢気味なら止瀉し消化器を助ける治療が必要です。
3. 免疫異常を修正する。ここが完治に向けた根気強い治療です。
あらゆる抗原に対する過剰な免疫反応は、体の防御機能が亢進して暴走している状態です。つまり、身体の恒常性(ホメオスターシス)の崩れ=東洋医学でいう正気の衰えによる反応なのです。ですからこの段階では、自律神経の働きを正常にする治療に力を注いでいきます。
これを実現するには、全身調整が必須となります。失調した自律神経機能を整え、合併したアレルギー症状を治めることが必要です。鼻炎があるなら鼻炎にも対処することがアトピー性皮膚炎の早期回復に繋がります。
「皮膚への末梢循環(マイクロサーキュレーション)を改善」し、正常な免疫機能を持つ表皮や角質層を産生する『表皮ケラチノサイトの代謝機能を正常化』するお手伝いをします。
2016.10.12
♣ 生理痛について
生理痛と一口に言っても、原因も症状も多岐に渡り様々な病状を呈します。
ここでは、大きく以下の二つに分けて説明します。
〈月経前症候群〉(PMS:PreMenstrual Syndrome)
・主症状は、月経の3~10日前に現れる不快な症状群。
・イライラ・怒りっぽい・抑うつ・不安などの精神症状。
・乳房痛・頭痛・腹部の膨満感、浮腫などの身体症状。
・月経開始と共にその症状が減退または消失する。
・40歳位から更年期に多いとされ、無排卵性月経では起こりません。
〈月経困難症〉(Dysmenorrhea)
・月経開始とともに出現。
・下腹部痛・腰痛・悪心・めまい・頭痛などが強い。
これらの症状が日常生活に支障をきたし、治療を必要とするもの。
生理痛の原因
〈月経前症候群〉(PMS:PreMenstrual Syndrome)
現代医学では、女性ホルモンであるエストロゲンとプロゲステロンの体内バランス不均衡や内因性オピオイド、セロトニンの関与などが考えられているが、原因不明です。排卵日(月経初日から数えて14日目前後の1日)から次月経の前日までを経前期と言います。
この時期は、女性の身体の中は受精卵の着床・正常な妊娠に適した状態にするために、子宮へ東洋医学でいう気・血・精といういわゆるエネルギーが注ぎ込みます。このように経前期は、多くの栄養を含んだ気・血・精が子宮に溜まっていく時期です。この状態を表現するならば、エネルギーが子宮を中心に上半身に集まって溜まっている状態です。充実した気・血・精が一定の箇所で過剰となり、特に他の悪化要因と重なり〈気滞(きたい)〉という状態になった場合、腹部の膨満感や乳房の張痛(ちょうつう)、上下の交通不良による下肢のむくみ、気の流れが滞った状態はイライラや精神的な抑うつが高まりやすくなります。これは月経初日に近くなるほど強まる傾向にあり、この時期に強い症状が出て日常生活を営む上で障害となることがあります。
〈月経困難症〉(Dysmenorrhea)
〈機能性月経困難症〉と〈器質性月経困難症〉とに分類されます。
以下の内容は、前者の〈機能性月経困難症〉を対象にしています。
現代医学において、機能性月経困難症の原因は様々な説があります。一例として、プロスタグランジンをいう子宮内膜で生成される発痛物質が原因であるとも言われています。
月経開始から7日目前後の来潮期間を行経期と言います。この時期は、子宮内の環境を維持する必要がなくなったため、子宮に充満したエネルギーを排出し新たな周期に入る時期です。体外には目に見える血という形でエネルギーを排出するため、子宮内は空虚になり生理的に血を失った状態〈血虚(けっきょ)〉になります。大きく体内の状態が変化し、心身ともに大変不安定になりやすい時期でもあります。この時期の下腹部や腰部のだるく痛い感覚は、東洋医学では酸痛(さんつう)と言って血が失われた虚(うつろ)な状態が現れています。血の失われ方が急激だったり、長期に渡り結果的に多く失われると、それらの症状は強く出現します。また、子宮内に血が残って時間が経つと〈瘀血(おけつ)〉と言って不必要な物質となり、痛みの原因となる可能性があります。この場合、血虚の酸痛とは異なって刺痛(しつう)、刺すような鋭い痛みを感じやすくなります。
女性は、月経という生理周期によって体内のバランスが崩れやすい。男性とは大きく異なる点です。
当院の施術
現代医学においては、月経前症候群・月経困難症ともに対症療法で、起きている原因そのものを改善する治療法はありません。
大部分の女性は、月経前後に何かの症状があると思います。当院では生理的な範囲を超えて、日常生活を営む上で問題になるほどの苦痛を治療対象として施術していきます。例えば、痛み止めを服用しなければならない程の痛みに対しては、鍼灸施術を受けることをお勧めしています。
治療方法は個人において異なります。しかし、東洋医学では女性が健康でいるために、体内のバランスを整えて気・血・精の分布を平衡に保つ事が、月経の問題を解消する近道であると考えられています。これは、生理痛に限った事ではありません。月経不順も不妊症も同じです。
当院では、とにかく今ある痛みを取り除くため、余剰となっているエネルギー(気・血・精)をある程度分散させる施術を行います。その後、弱っている機能を回復する施術を行います。
個人差がありますが、痛み止めなどの服薬が必要なくなるのに2回~3回の周期を目標に計画をご提案しています。痛み止めのお薬で症状をマスクするのとは異なり、根本的な原因に対して行う施術ですので体質の改善が目的になります。
2016.10.11
☕️ 秋晴れ、秋祭り。
2016.10.05
♣ 耳鳴りについて
♣ 耳鳴りについて
耳鳴りとは、耳の中、あるいは頭の中で本来ないはずの音が聞こえている状態を言います。蝉が鳴いているような「ジー」という音であったり、高音の「キーン」という音であったり、低めの「ゴー」という音であったりします。
また、耳鳴りの多くは〈難聴〉〈めまい〉〈耳閉感〉などの耳症状を伴います。難聴の50%以上に耳鳴り、耳鳴りの75%以上に難聴があるといわれています。
耳鳴りによって不眠や鬱にまで発展することもありますが、ご本人のつらさが客観的に分かってもらいにくいため、患者様の精神的苦痛が増すケースが多いようです。
耳鳴りの鑑別について
耳鳴りには、【他覚的耳鳴り】と【自覚的耳鳴り】という分類があります。
【他覚的耳鳴り】外部からも聴くことのできる耳鳴りです。つまり、実際に聞こえる音ということです。耳のそばに聴診器を当てたりすると他の人も聴くことができます。音の原因は耳の中の筋肉の痙攣、鼓膜の異常、顎関節の発する音、血管の拍動などが考えられます。 中でも血管の拍動による耳鳴りでは、血管の病変が考えられます。これは、脳に向かう動脈に瘤ができるなどの理由で雑音が起こるものです。この音は、心臓の拍動に合わせて聞こえるのが特徴です。このような場合は血管が裂ける危険性があるので、すぐに脳神経外科や耳鼻咽喉科を受診してください。
【自覚的耳鳴】(非振動性)自分にしか聞こえない耳鳴りで、ほとんどの耳鳴りはこちらに属します。 難聴をともなうことが多く、難聴の程度もほとんど自覚のない軽いものから、生活に支障をきたすほど重いものまでさまざまです。人口の1割か2割の人は耳鳴りを経験するといわれ、65歳以上では3割もの人が耳鳴りを経験しているといわれています。とはいえ、その全ての人が耳鳴りに悩まされているわけではありません。耳鳴りがあっても気にならない人も多いのです。なお、非常に静かな環境にいると「シーン」という音が聞こえることがありますが、これは生理的な耳鳴りであり、全く問題ありません。
耳鳴りの原因
耳鳴りの原因は、耳の病気や全身の病気である場合もあります。あるいは薬の副作用としても起こり得ます。 ただし、原因が特定できない耳鳴りのほうが多いのも事実であり、これが治療を難しくしています。
1.耳の病気による耳鳴り
耳鳴りを起こす病気としては、〈内耳炎〉〈滲出性中耳炎〉〈耳垢塞栓〉〈耳管狭窄症〉〈耳硬化症〉〈メニエール病〉〈老人性難聴〉〈突発性難聴〉〈聴神経腫瘍〉〈外傷(耳そのものの怪我)〉などがあります。 難聴を起こす病気はすべて耳鳴りを伴う可能性があるということです。 耳の病気による耳鳴りは、原因となる耳の病気が治ればなくなります。
このうち、病気と言い難いのは老人性難聴で、30代を過ぎると誰でもなりうる加齢変性といえます。 音を感じるのは内耳の蝸牛管の中にあるコルチ器という部分です。ここには有毛細胞があり、振動を感じ取ります。その振動の周波数が脳に伝えられることで音として認識されるのです。 加齢にしたがって高い周波数の有毛細胞が脱落し、高音が聴こえにくくなってきます。これが老人性難聴です。耳鳴りや難聴以外の症状がなければ心配はありません。
2.耳の病気以外で起こる耳鳴り
耳の病気以外でも耳鳴りが起こることがあります。 むち打ち症、顎関節症などで強い耳鳴りが出ることが知られています。 これは、内耳の神経と首の筋肉に密接な関係があるためで、むち打ちでは6割の患者様に耳鳴りが起こるというデータもあります。 また、薬の副作用によって耳鳴りが起こる場合もあります。 かつて結核患者の多かった時期、特効薬としてストレプトマイシンがよく使われました。当時「ストマイ難聴」という言葉ができたように、ストレプトマイシンやカナマイシンなどの抗生物質の副作用として難聴が起こり、耳鳴りを伴うこともあります。一部の抗がん剤や利尿剤(高血圧の薬として使われることも多い)も耳鳴りを起こします。ドロドロ血を防ぐと言われるアスピリンも、たくさん服用すると耳鳴りが起こることもあります。アスピリンの副作用にはこのほかに胃腸障害などもありますから、医師の処方以外の服用はお勧めできません。 これらの薬による副作用で起こる耳鳴りは、服用をやめることで治ることもありますが、治らないこともあります。
当院の治療
耳鳴りには頸や肩の筋肉の緊張やコリと、自律神経の関与が深く関わっています。内耳を全て切り取ってしまっても耳鳴りが起こるといわれているように、耳鳴りには脳も関係しているようです。 逆にいえば、頸と肩のこりをゆるめ、内耳や脳への血行循環を改善し、リラックスさせて副交感神経を優位にすれば多くの耳鳴りは改善するということです。
鍼は、硬くなった頸や肩の筋肉に直接届き、緊張をゆるめることができます。鍼を刺す刺激によって血流も改善し、「軽くなった」「やわらかくなった」と感じていただけるはずです。肩や頸を通って内耳や脳に到達する血管も、硬くなった筋肉によって締め付けられることがなくなります。お灸によって物理的に温める方法も血行の促進、免疫力の向上につながります。 なにより、鍼灸によって副交感神経が優位になることが知られており、リラックスした状態では耳鳴りが気にならなくなるのです。
また、東洋医学の考え方では「耳」は「腎」が司っていると考えます。(臓器としての腎臓というより、「腎」というカテゴリーでくくられた体の機能と考えてください。)「腎」はまず、「先天の精」が蓄えられているところです。「先天の精」とは両親からもらった生命力のことで、「腎」にこれが保存されています。この貯金を使い果たしてしまうと命が燃え尽きると考えられています。 ですから、人間はこの貯金を減らさないように、毎日食べ物や飲み物、空気などから精を得ているのです。外から得られるこれらの精を「後天の精」と呼びます。「腎」の働きが弱ると、生殖機能が衰え、耳に問題が起こったり、骨がもろくなったり、朝早く目覚めて睡眠時間が短くなったりします。また、疲れやすくなるのも特徴です。いわゆる老化現象と呼ばれるものは、腎の働きが弱ることで(つまり、先天の精のストックが減ることで)起こってくると考えられています。
当院では、この「腎」に働きかける治療を全身におこないます。 耳鳴りなのに、なぜ全身を治療するのかと思われるかも知れませんが、それはこのような東洋医学的な見地に立った治療をするためです。 耳鳴りが全身におよぼす影響を考えれば、むしろ全身を治療しないほうが不自然と言えるかもしれません。
2016.10.04
♣ 五十肩について
♣ 五十肩について
【肩関節周囲炎】俗称〈五十肩〉といいます。
① 広義:〈腱板炎〉〈肩峰下滑液包炎〉〈石灰沈着生腱板炎〉〈腱板断裂〉〈上腕二頭筋長頭炎〉〈五十肩〉などの疾患が含まれます。
② 狭義:原因が判明できない肩関節周囲の痛み→〈五十肩〉といいます。
主症状はその名の通り、肩関節の痛みです。最初は「腕をあげる動作」や「上着を羽織る際」に痛みを感じ、時間の経過とともに悪化していきます。
①痛みで腕が動かしにくくなり、症状が進行すると座ったり寝たりしていても痛みが出てきます。(安静時痛)
②さらに、寝ているときに痛くて目が覚める・痛くて寝付けないなどの症状が出てくると、いよいよ生活に支障が出てきます。(夜間痛)
③一般には、時間経過とともに痛みがピークに達します。その後少しずつ痛みは軽減しますが、このとき肩関節がロックした様になり、ある領域からピクリとも動かなくなります。つまり、痛みが主症状の時期から可動域制限へと移行していきます。(疼痛性筋痙期→筋性拘縮期)
症状が出始めたら大抵の方が酷い痛みのため、整形外科・整骨院・鍼灸院を訪ねます。中には放っておく方もおられますが、痛みが酷く仕事や家事、日常生活に支障が出たまま長時間過ごすことになります。五十肩は放っておいても「いつかは」良くなることがほとんどですが、そういった放置例は非常に経過が長く、酷い痛みを我慢しなければなりません。長い方ですと、1年から2年、5年間可動域制限と痛みに苦しんでおられる方も目にします。ですから、何らかの医療的な介入をしたほうが経過が良好であると言えます。
鍼灸施術は痛みを起こしている深部の筋肉や組織にまでアプローチでき、当院の施術は肩関節だけに留まらない治療で肩関節の痛みを取り除いていきます!
五十肩の原因
発症の機序は明らかにされていません。
何らかの原因で、肩関節を取り巻く筋肉・軟部組織に炎症をきたした状態。局所の血流不足、筋線維の拘縮、知覚神経の絞扼障害などが起きていると考えられている。俗称である、『四十肩・五十肩』が示しているように、加齢による肩関節周囲を構成する組織に変化(変性)が起きる過程で発症するものと考えられる。
当院の治療
当院では、まず炎症の程度(痛みの強さ・痛みの範囲・関節可動域・日常生活動作の障害度など)を確認しながら、腱板損傷や石灰化、頚椎の問題などで発生する似たような痛みを除外していきます。次にどの動きができて、どの動きができないのか。それぞれの動きを確認して、患者様と一緒に確認していきます。
いよいよ、施術に入ります。
五十肩という病名は東洋医学にはありません。それと同じように、来院いただく患者様の不調の原因も多岐に渡っており、「五十肩にはこの治療」と単純に決定することはできませんが、①一般的に多くみる症状では腕が前から上に上がらない。②横から上に上がらない。③後ろ手が回せない。④何もしていなくてもズキズキうずく。等、最も動かしにくい動きから傷害されている経絡(神経エリア)を選定します。傷害されている経絡(神経)上にある有効穴に鍼灸を施し、可動域や痛みの程度が改善されるのを確認します。
ある程度まで可動域が出て、除痛に成功すれば後は時間の経過に加速して回復される方が多いです。