もくの木ブログ

2016.10.12

♣ 生理痛について

生理痛と一口に言っても、原因も症状も多岐に渡り様々な病状を呈します。

ここでは、大きく以下の二つに分けて説明します。

〈月経前症候群〉(PMS:PreMenstrual Syndrome)

・主症状は、月経の3~10日前に現れる不快な症状群。

イライラ・怒りっぽい・抑うつ・不安などの精神症状。

乳房痛・頭痛・腹部の膨満感、浮腫などの身体症状。

月経開始と共にその症状が減退または消失する。

40歳位から更年期に多いとされ、無排卵性月経では起こりません。

 〈月経困難症〉(Dysmenorrhea)

月経開始とともに出現。

下腹部痛・腰痛・悪心・めまい・頭痛などが強い。

これらの症状が日常生活に支障をきたし、治療を必要とするもの。

 

生理痛の原因

〈月経前症候群〉(PMS:PreMenstrual Syndrome)

現代医学では、女性ホルモンであるエストロゲンとプロゲステロンの体内バランス不均衡や内因性オピオイド、セロトニンの関与などが考えられているが、原因不明です。排卵日(月経初日から数えて14日目前後の1日)から次月経の前日までを経前期と言います。

この時期は、女性の身体の中は受精卵の着床・正常な妊娠に適した状態にするために、子宮へ東洋医学でいう気・血・精といういわゆるエネルギーが注ぎ込みます。このように経前期は、多くの栄養を含んだ気・血・精が子宮に溜まっていく時期です。この状態を表現するならば、エネルギーが子宮を中心に上半身に集まって溜まっている状態です。充実した気・血・精が一定の箇所で過剰となり、特に他の悪化要因と重なり〈気滞(きたい)〉という状態になった場合、腹部の膨満感乳房の張痛(ちょうつう)、上下の交通不良による下肢のむくみ、気の流れが滞った状態はイライラ精神的な抑うつが高まりやすくなります。これは月経初日に近くなるほど強まる傾向にあり、この時期に強い症状が出て日常生活を営む上で障害となることがあります。

〈月経困難症〉(Dysmenorrhea)

〈機能性月経困難症〉と〈器質性月経困難症〉とに分類されます。

以下の内容は、前者の〈機能性月経困難症〉を対象にしています。

現代医学において、機能性月経困難症の原因は様々な説があります。一例として、プロスタグランジンをいう子宮内膜で生成される発痛物質が原因であるとも言われています。

月経開始から7日目前後の来潮期間を行経期と言います。この時期は、子宮内の環境を維持する必要がなくなったため、子宮に充満したエネルギーを排出し新たな周期に入る時期です。体外には目に見える血という形でエネルギーを排出するため、子宮内は空虚になり生理的に血を失った状態〈血虚(けっきょ)〉になります。大きく体内の状態が変化し、心身ともに大変不安定になりやすい時期でもあります。この時期の下腹部や腰部のだるく痛い感覚は、東洋医学では酸痛(さんつう)と言って血が失われた虚(うつろ)な状態が現れています。血の失われ方が急激だったり、長期に渡り結果的に多く失われると、それらの症状は強く出現します。また、子宮内に血が残って時間が経つと〈瘀血(おけつ)〉と言って不必要な物質となり、痛みの原因となる可能性があります。この場合、血虚の酸痛とは異なって刺痛(しつう)、刺すような鋭い痛みを感じやすくなります。

女性は、月経という生理周期によって体内のバランスが崩れやすい。男性とは大きく異なる点です。

当院の施術

現代医学においては、月経前症候群・月経困難症ともに対症療法で、起きている原因そのものを改善する治療法はありません。

大部分の女性は、月経前後に何かの症状があると思います。当院では生理的な範囲を超えて、日常生活を営む上で問題になるほどの苦痛を治療対象として施術していきます。例えば、痛み止めを服用しなければならない程の痛みに対しては、鍼灸施術を受けることをお勧めしています。

治療方法は個人において異なります。しかし、東洋医学では女性が健康でいるために、体内のバランスを整えて気・血・精の分布を平衡に保つ事が、月経の問題を解消する近道であると考えられています。これは、生理痛に限った事ではありません。月経不順も不妊症も同じです。

当院では、とにかく今ある痛みを取り除くため、余剰となっているエネルギー(気・血・精)をある程度分散させる施術を行います。その後、弱っている機能を回復する施術を行います。

個人差がありますが、痛み止めなどの服薬が必要なくなるのに2回~3回の周期を目標に計画をご提案しています。痛み止めのお薬で症状をマスクするのとは異なり、根本的な原因に対して行う施術ですので体質の改善が目的になります。


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